営業編:寄贈ボドゲの取り扱い
春ですねぇ。あったかいのはいいことです。暑いのも寒いのも嫌です。
さて、そろそろゲームマーケットが近づいてきたというのもあるので、今日はこのネタを書こうと思う。
今回は、ちょっと思うところがありまして、結構タブーなネタにぶっ込んでいきますので、ご理解くださいませー。
なぜボドゲを寄贈するの?
特に同人・インディーズでボドゲを作ってる方を中心に、お世話になったから、あるいは宣伝目的でお店に置いてもらって露出を高めたい、といった思いでボドゲカフェにボードゲームをプレゼントすることがあります。
または、自分で作ってないけど、このボドゲ面白いよ!って大手出版社のを贈るケースもありますよね。ちょいちょい見かけます。
後者のケースなら、特に問題にはならないかと思いますが、問題は前者、同人でゲームを寄贈するケースです。
お店としては、無料でボドゲが増えるんだから、いいことでしょ?なんで拒否するんですか。
いいえ、悪いことがあります。それも、複数。
ボドゲの寄贈を、受け取る側の気持ち
どんなプレゼントも、受け取る側の気持ちを考えることが大事ですよね。うんうん。
贈られた側は、そのボドゲをどうするのか、考えてみましょう。
まず、店主やスタッフが「面白い!」と思ってくれたら、個人的に遊ぶでしょう。お店でお客さんに提供するでしょう。
遊んで、提供されて、面白かったら、次第に評判を得るでしょう。そのゲームはきっと成功します。
つまり、初手でボドゲカフェスタッフ各位に「面白い!」と思ってもらえるよう、努力をしないと、寄贈の目的は果たされません。面白いと思ってもらえないゲームを送りつけただけです。これは誰も喜びません。
その努力、してますか?一緒にお手紙を添える程度で、ほんとに大丈夫?
(その点、大手から出る作品は、面白いと誰かが思ったからこそ大金をかけて出版されている、という点は疑い無いので、クリアしています)
実際、天岩庵にも、のべ10件以上、無言でゲームだけ郵便で送りつけたサークル・団体がおりましたが、大体が面白くなさそうでしたね。
ボドゲカフェは宣伝塔になるか?
まず、そもそも論です。
そのゲームをただ店頭に置くだけで宣伝になるなら、ボドゲカフェに置かなくても売れてますって。寄贈するまでもない。
ゆえに、無策に寄贈するだけは無駄なこと。せめて一緒にチラシの一つも置いてもらったらどうでしょう?
そして、先日も書きましたが、ボドゲを置くスペースは有限で、どのお店も苦慮してる問題点。そのスペースを、集客になるかどうかもわからない作品に割いてもらっていることを、理解できていますでしょうか。
在庫を置くスペースで諸氏困るのと同じですよ。スペースにはお金がかかるんです。
置いた後、(寄贈先の店の)大した宣伝もせず、ゲームも鳴かず飛ばずで集客にならないなら、その寄贈は迷惑だった事になりませんか?
寄贈ボドゲを中古で売ってもよいか?
その上で、ボドゲの収納スペース問題、即ち遊ばれなくなったゲームをどうするか、という問題に、寄贈ボドゲが絡むと、また別の話が出てきます。
それがこれ。
同人ゲーム作者の心情を慮るに、自分のゲームを中古で売られることが悲しい、というのはよくわかります。
ですが、ボードゲームで稼ぐお店にとって、集客に繋がらないゲームを切り捨てられないのも、辛いんです。そのスペースに、もっと面白くて目立つ新作を置きたいの。
じゃあどうすればいいのよ?
中古に出されるのが嫌なら、新品価格で売りますか?お店で遊んだり、少なくとも棚に置かれて多少は摩耗してるのに、それを新品で?
しかも、新品価格だとボドゲカフェ側に儲けが出ますよ?寄贈品で儲けるのって、私は抵抗あります。
では、燃やして捨てますか?燃やされる方が、不幸じゃないですか?せっかく丹精込めて作ったのに。。
ボドゲカフェ店頭で「無料で持ってっていいよ!」と配るのはどうでしょう?
無料で持っていったものを大事にする人がいますか?と私は思います。それに、お金払って買って遊んでる人と比べたらどうです?
お金を出して買った物なら、どうしようと個人の勝手だが、寄贈されたら話は別、ですか?
それはつまり、「このボドゲは寄贈されたものである」ということを贈られた側は記憶しておいて、特別に配慮しろ、と命じてるのに等しい。
・・・お返しを強制するプレゼントみたいですね。バレンタインデーとホワイトデーかな?
無配慮な寄贈は呪いの装備
以上でお分かりいただけたかと思いますが、ボドゲを寄贈することは、不幸しか生まないケースがあるんです。
まるで、呪いの装備。役に立たないのに外せない。
もしも「寄贈を受けた同人ボドゲをぞんざいに扱ってるお店があってひどい!」という世論が形成されて、ボドゲ業界に広く浸透したとします。
どうなると思いますか?「そんなもん受け取ったら事故の元だ」と、寄贈を受け取るボドゲカフェが消えて無くなる、ということです。下手したら、同人ボドゲをひとつもお店に置きたくない、なんてこともありえますよ。