適性編:あなた、向いてる人?それとも、向かない人?

今回は、ボドゲカフェ経営に向いてる人・向いてない人、という、なかなか語るのも難しいことを、あえて言語化してみようと思います。

どんなものにも向き不向きはあり、誰でもボドゲカフェ経営できるわけじゃないですから。


ここではいわゆる「経営者マインド」や「接客業への適性」というのは横に置きまして、純粋にボドゲカフェ経営のみの目線で語っていくことにしましょう。


私が思うボドゲカフェ経営者に必要な素養

ボドゲが好きである

これは大前提。これ無くして始まらない。好きじゃないなら別の業態にしなさいな。


スピーチが上手い=ルール説明が滞りなくできる

これも必須。まずボドゲカフェはルール説明が必須の業態。そして雇ったスタッフに全部させるのは現実(=人件費)的に無理。というかまず自分が手本を見せられなければならない。

私の中では、インストはプレゼン、スピーチと同じタイプの「コミュニケーション」ですので、スピーチ力が大事。詳しくはこちらのインスト論にて

なお、アルバイトとして雇用可能な人材の中で、ボドゲができる人という制限をつけると、現状ほとんどいないかと思います。なので、自分自身ができないとスタートもできない。


記憶力が良い

最悪、インストはその場でルールブックを読みながらするとしても、棚からゲームを選んでもらうためにする説明は、ルールブックを見ることができません。ゲームのプレイイメージをお客さんに話せることが必要になります。

あと、棚のどこにそのゲームをしまったか覚える必要もあるし、ゲーム名から箱を思い出す必要もあるし、棚にそのゲームが無いことも覚えないといけない。とにかく記憶力を使う場面は普通の飲食店より多い。


余計な口出しを控えることができる

ボードゲーマーあるある、ボドゲ遊んでるの見ると、横から口を挟みたくなる!

これがなぜ必要なの?については、こちらの記事をどうぞ!

口出しはお店では控えましょう。常連さん相手ならいいかもですが、そうでない方にやるのはよろしくない。訓練してでも、我慢を覚える必要あり。

(これお店関係ないよね、オープン会でもありうる話だよね)


ボドゲカフェ・スペースを通じて「何をしたいか」が明確である

多分これが、今回の記事の中では一番重要。例えば、ボードゲームを知らない人に普及したい、ボドゲを通じてお客さん同士を繋げたい、美味しいコーヒーや料理とともにボドゲを存分に遊んでほしい、など。

2017年以前だったら、ボドゲカフェ=楽しく遊べる飲食店の中でも珍しい、という意味で差別化できており、それだけでなんとかなりました。が、2023年現在、もはやボドゲカフェだというだけで集客できる=儲かる業界ではありません。大した理由がないのに開業しても、損しかないと思います。

言い換えると「楽しく儲けたい」「ボードゲームに関する仕事がしたい」くらいの理由しかない方は、ボドゲカフェである必要は無いかと。ちなみにこの点は、東京か地方かで差は無いと思います。


ボードゲームを経営資源として扱うことができる

これは開業後に訓練や慣れによって身に付ければよくて、そして必須とまでは言わないが大事なこと。要するに「ボードゲームで金儲け」するんだから、儲けに繋がらないボドゲは買わない・処分するという発想を持てるかどうか。

お金にゆとりがあるならバンバン買えばいいと思いますが、そうでないなら経営目線で効率のいいボドゲを買い揃えるべきだ、ということになります。

それ即ち、気になるボドゲを片っ端から買っていた、開業前の趣味の状態とは思考をぐるっと転換しなければならないことになります。自分が好きじゃなくてもカタンやカルカソンヌはお店に置かねばならんし、3時間超級の重ゲーは買い控えるかすぐ手放してスペースを開けなければならんのです。

そういう意味では、中古ボドゲ屋が嫌いな人は経営者に向いてないです。


こうやって見てくると

ボドゲカフェという業界の勃興から約5年、長く見ても10年でその存在はコモディティ化してしまいました。東京はすでにレッドオーシャンだし、東京以外の地域でも環境は厳しいように見えます。

そう考えると、この先5〜10年で業界を取り巻く環境はまた激変しているかもしれません。

こちらの連載で計算した時の数字も、2023年現在の規模感で記載したものですが、近いうちに変わってるかもしれませんね。


ふう、今日はこの辺で。